六月博多座大歌舞伎 夜の部

俊寛小

2018/6/17土 16:20- 博多座

近松門左衛門 作
平家女護島
一、俊寛(しゅんかん)
俊寛僧都      片岡 仁左衛門
丹波少将成経  中村 鴈治郎
海女千鳥      片岡 孝太郎
平判官康頼    市川 猿弥
瀬尾太郎兼康   坂東 彌十郎
丹左衛門尉基康  中村 梅玉

  
二、二代目松本白 鸚 十代目松本幸四郎 襲名披露 口上(こうじょう)
幸四郎改め松本 白鸚
染五郎改め松本 幸四郎
坂田 藤十郎
幹部俳優出演


河竹黙阿弥 作
新皿屋舗月雨暈
三、魚屋宗五郎 ( さかなやそうごろう )
魚屋宗五郎 幸四郎改め松本 白鸚
磯部主計之助       大谷 友右衛門
召使おなぎ       市川 高麗蔵
小奴三吉       中村 亀鶴
菊茶屋娘おしげ       中村 壱太郎
鳶芳松       大谷 廣太郎
菊茶屋女房おみつ 上村 吉弥
父 太兵衛       松本 錦吾
浦戸十左衛門       坂東 彌十郎
女房おはま       中村 魁春

福地桜痴 作
四、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)
小姓弥生後に獅子の精 染五郎改め松本 幸四郎
局吉野       市川 笑也
老女飛鳥井       市川 笑三郎
胡蝶の精       澤村 宗之助
胡蝶の精       中村 壱太郎
用人関口十太夫       大谷 廣太郎
家老渋井五左衛門       市川 猿弥


仁左様の俊寛。ちょっと想像以上に長い顎鬚の仁左様が素敵で(西洋の映画俳優か?!みたいな)しばらくはその美しさにうっとりしていたのですが、後半になるにつれ、仁左様の真の価値はその美しさじゃないのだよな、と我に返る演技の緻密さよ・・・!

仁左様お膝が痛いのかしらと心配してしまったけど、それは弱った俊寛の役作り。そういうフィジカルな演技はもちろん素晴らしいのですが、私はやっぱりこの人の表情の作り方が本当に好きだなあ。妻の東屋が殺されたということを知った瞬間の、「茫然と」という言葉がぴったりの表情。妹尾太郎を殺そうと決心した瞬間の、ちょっと狂気宿るあの目の動きは、絵本合邦の太平次を彷彿とさせました。少将と別れることになって哀しむ千鳥の肩を「よしよし」と抱くシーンの包容力を感じる大きな手の平、じーんとしたなあ。そして「おーい!」と船を見送るラスト。仁左様の俊寛は一瞬たりとも自分の選んだ道に後悔をしておらず、見送る船上の人達への愛情に溢れていた。全体を通して、何と慈愛に溢れた俊寛だったことよ。

仁左様は細くていらっしゃるので遠い南の島に流されて海藻で食いつないでいるお役に見た目もぴったりでしたが、流罪仲間の鴈治郎さんと猿弥さん、ふくふくしてらして肌艶も良く、ネットでは隠れて鯨でも食べていたのではとか言われてたのが笑いました^^; でもお二人とも演技は非の打ちどころがなく。あと、孝太郎さんの千鳥、重い話の中で実にコミカルで可愛い女性で、とってもよかった。

俊寛は文楽でしか観たことがなかったんですが、歌舞伎は文楽とは随分雰囲気が違うなと思いました。当たり前ですが、人が演じる歌舞伎は文楽よりも生々しい。文楽は、主題となる部分だけが純化されて、とても美しいものになっている気がするな。どちらがいい、ということはなく、それぞれの良さがあると思いました。

魚屋宗五郎、コミカルでなかなか楽しかった。酔っ払いの白鸚さん面白い。滑舌が悪いなぁと思っちゃうところも、酔っ払い役だと気にならないし。

春興鏡獅子も見応えがありました。幸四郎さんの女形、美しいなー♥壱太郎さんの胡蝶可愛かった。そして壱太郎さんの踊りのキビキビしたリズム感が好き。しかし、獅子モノ観てると好きな役者さんのそれを猛烈に観たくなりますね・・・。

夜の部、全部面白くて大満足でした。

ちなみに、この日の夜の部終演後、幸四郎さんが襲名記念に写真集を発売したということで、そのプロモーションを兼ねたトークショーが。事前申し込みすれば無料ということだったので図々しく参加してまいりました。30分、マイク片手に喋る喋る。でも幸四郎さんは、自分が喋りたいというよりは、そこにいる人達を楽しませようとしているのが伝わってくるような。

写真集は、記録写真ではなくアートっぽく(という言葉だったか忘れた)というのを目指したそうです。17年間彼を撮り続けているカメラマンさんによるもの。お話の中に昼の部の「伊達の十役」の早変わりの話があって面白かったな。早変わりは巻き付けるという着物の特性を最大限に活用した手法で、伊達の十役では一回の早変わりは平均6-7秒とのこと!4時間で40回以上の早変わりで観客にとっての幕間も顔を一度落として作り直しているから休みなしなのだとか。この日の数日前が中日だったのですが、ここまでと同じ回数をまだやるのかと思うとぞっとするとおっしゃってました。次の日、昼の部を観たのですが、これやったらそりゃ疲れるよねと納得。

次の日観た昼の部へ続く!
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Author:きぃこ★★
東京在住のバレエファン。・・・のはずでしたが、オペラや歌舞伎にも興味拡大中。舞台鑑賞は自腹です。ご贔屓はハンブルクバレエ。

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