Hamburg Ballet / Nijinsky Gala #3

ハンブルクバレエのシーズンを締めくくるニジンスキー・ガラ、第三部について。

◆THIRD PART

Excerpt from "The Sleeping Beauty" – Rose Adagio
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: Marius Petipa
Alina Cojocaru (English National Ballet)
Spanish Prince: Karen Azatyan
Russian Prince: .Jacopo Bellussi
Indian Prince: Dario Franconi
Egyptian Prince: David Rodriguez

コジョカルのプティパ版眠りのローズ・アダージオ。いやはや素晴らしかったです・・・!私は彼女がBRB日本公演でオーロラを客演したのを観られていないのです(そのときハンブルクのニジンスキーを観に来ていた)が、日本の観客が感動したのが良く分かります。2月に日本で椿姫を踊って舞台復帰したころとは見違えるように体も引き締まり、とても調子がよかったのではないかな。テクニックも完璧、そしてオーロラの初々しい喜びが全身からほとばしり出ていて。久しぶりに私の好きなコジョカルに再会できてうれしかった!私はノイマイヤー作品を踊る彼女よりも古典やアシュトンを踊っている彼女の方が断然好き。

John's Dream – And What We Call Growing Up

"John's Dream"
Choreography and Text: National Youth Ballet

"Hallelujah"
Music: free after Leonard Cohen
Choreography: Yuka Oishi

"Coming Together"
Text: Charlotte Larzelere

"Just Like A Woman" / "Natural Woman"
Music: free after Bob Dylan / Carol King
Choreography: Sasha Riva / Sara Ezzell

"This Is Not a Song, It's an Outburst"
Music: free after Sixto Rodriguez
Choreography: Kristian Lever

"Humanity"
Choreography and Text: National Youth Ballet

"Talkin' Bout A Revolution"
Music: free after Tracy Chapman
Choreography: National Youth Ballet

National Youth Ballet:
Natsuka Abe, Sara Ezzell, Charlotte Larzelere, Freja Maria Lützhøft, Marcelo Ferreira, Artem Prokopchuk, Emiliano Torres, Ricardo Urbina
Musicians:
Joycelyn Homadi-Sewor (vocals), David Berton (vocals, guitar), Kellen McDaniel (vocals, guitar, viola), Amelie Wallner (violin), Lukas Plag (violoncello, bass guitar), Aike Errenst (piano, cajón)

全部で30分くらいの、ハンブルクのユースバレエの演目で、音楽も舞台上での生演奏。衣装はかなりラフな普段着っぽくて台詞もあり、芝居とダンスの中間みたいな感じかな(ただし全体を通して物語になっているわけではない)。即興的な振付が多くてストリート感もあり、ハンブルクバレエ本体とはかなり異質で現代っぽいと思った。残念ながら彼らの意図しているところを全部ちゃんと理解はできていないと思うけど、内面の葛藤だけでなく環境保護みたいな社会的な課題に対する問題提起も。観客には大ウケで拍手も大きかったです。
個人的には、若いダンサー達の熱意は美しかったけど、ダンス作品としてはまあ、よくあるタイプかなーという感じでした(すみません)。でもニジンスキーガラはお祭りだから、こういうのもあっていいと思う。

Excerpt from "Don Juan" for Rudolf Noureev
Music: Christoph Willibald Gluck, Tomás Luis de Victoria
Choreography: John Neumeier
Silvia Azzoni, Alexandre Riabko

大好きなシルヴィア&サーシャ組が出演したのはフィナーレを除いてはこの1演目のみ。幕が開いたとき下手側に黒いコートと帽子をかぶったサーシャがたたずんでいて、このシーンが照明含めてめちゃくちゃ美しかった・・・!
ドン・ジュアンが理想の女の影に引きずられてついに落命するシーン、なのかな。たぶんウェーブのあるつけ毛をしているシルヴィアがこれまためちゃめちゃ美しい。序盤はリフトが続くけど、途中のドン・ジュアンのソロはヌレエフに振付けられただけあって鬼難しい。それを涼しい顔してエレガントに踊るサーシャは流石。これをこういう風に踊れるダンサーって世界に何院もいないんじゃないでしょうかね・・・。
でも、サーシャは女ったらしにはどうしても見えないな。バレエフェスのAプロがこの演目ですが、そこは日本の方々には大目に見ていただきたいなーと思います。

Excerpt from "The Sleeping Beauty" – Pas de deux "The First Awakening"
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: John Neumeier after Marius Petipa
Alina Cojocaru (English National Ballet)
Alexandr Trusch
Violin: Vadim Gluzman – Vadim Gluzman plays the Stradivarius violin known as "ex Leopold Auer"

ノイマイヤーの眠りから目覚めのシーン。眠りはまだ全幕を観たことがないのです。来々シーズンあたり再演してくれないかな。そうだとすると次回のハンブルク来日公演はコジョカル&トルシュ君の主役でノイマイヤーの眠りが観られるかも。
この抜粋に関しては踊りが少なくて、部分だけ取り出されてもねえ、っていう感じでした。でもノイマイヤーの眠り全幕は素敵だと、ハンブルクの古いファンの方々が口を揃えておっしゃいます。

"Tchaikovsky Pas de deux"
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: George Balanchine
Tiler Peck (New York City Ballet)
Herman Cornejo (American Ballet Theatre)

ここからバランシン二連発。NYCBのタイラー・ペックは、物凄くがっちりとした体つきで、古典は見た目にちょっとバランスが悪いなと眠りで思ったのですが、なるほど確かにバランシンを踊らせたら凄いなと。本拠地ではバランシンはこうやって強靭な身体能力でアスリート的に魅せるものなのかもしれない。日本の新国立劇場バレエのバランシンなんかは、かなり繊細で、本家とは違う味になっているのだなー。反面エルマンは繊細な面もあってとっても素敵だったんですが、いっそのこと両方本家本元のNYCBだったらどうなったんだろうか、とも思いました。

Excerpt from "Jewels" – Diamonds
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: George Balanchine
Olga Smirnova, Semyon Chudin
(Bolshoi Ballet)

トリはスミルノワ&チュージンのダイヤモンド。これはもう大好物。スミルノワ、こちらではまったく危なげなく、彼女が本来持つ硬質な美しさを放ちまくってため息出るようなパフォーマンスでした。彼女もロパートキナと同じで、長い手が常にふわふわと微妙に風にゆらめいているような感じがあって、何とも素敵なんですよね。そしてチュージン!ダイヤモンドはとかく男性は単なる支え役になりがちなんですが、ゴメスでさえロパ様のお相手をしたときはそうだったんですが、チュージンが出てくると、ああパドドゥだったんだなと思う。彼、サポートしてるときも物凄く美しくて存在感があるのです。あーこの二人をバレエフェスによんでほしかったなあ(泣)
それにしてもジョン、この演目の前のトークでスミルノワとオフチャレンコって言いましたよね!チュージン、これのためだけにハンブルクにきてるのにひどいわ。会場も一瞬「え?!」ってなったけど、演目終わった後にジョンはさんざん謝ってました^^;

"Finale: Candide"
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
Ensemble

フィナーレは、ハンブルクバレエのダンサー全員がちょっとずつキャンディードを踊りました。その中心には・・・ロイド!彼、今シーズンはほとんどダンサーとしては舞台に出ていなかったけど、あのキレとそして内側から溢れるようなエネルギーは健在でした。嬉しいなあ。

最後は、ハンブルクバレエのプリンシパル+ゲストダンサー達に大きな花束が渡され、天井から滝のように紙吹雪が舞って幕。

5時間半以上にわたる長丁場、ジョンもダンサーもオケも指揮者もスタッフの皆さんも、本当にお疲れ様でした!

写真はカーテンコールより。
大好きなサーシャとシルヴィア。
サーシャとシルヴィア (2)

ロイド!
ロイド

スミルノワとチュージン。
チュージンとスミルノワ

コジョカル as オーロラ姫
コジョカル

ジョン御大。
ジョン御大
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テーマ:バレエ - ジャンル:学問・文化・芸術

Hamburg Ballet / Nijinsky Gala #2

ハンブルクバレエのシーズンを締めくくるニジンスキー・ガラ、第一部&第二部について。

◆FIRST PART

Excerpt from "On the Town"
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
Set and Costumes: Zack Brown – utilizing the New York photographs of Reinhart Wolf
Alexandr Trusch and the School of the Hamburg Ballet

バレエ団の子達が水平さんの格好をして踊る。ややミュージカル調でロビンスの影響なのかなーと思ったり。こういうの見てるとジョンはアメリカ人だなぁと思います。トルシュはほんのちょっと出てきただけで使い方にハテナ?

Pas de quatre from "Le Réveil de Flore"
Music: Riccardo Drigo
Choreography: Marius Petipa, staged by Yuri Burlaka after Ivan Khlustin (2014)
Costumes: Vladimir Ponomarev
Daria Ionova, Anastasiia Nuikina, Mariia Khoreva, Maria Bulanova
(Graduates of the Vaganova Ballet Academy)
(Rector: Nikolay Tsiskaridze, Teacher: Liudmila Kovalyova)

ワガノワバレエ学校の卒業生による「フローラの目覚め」からの抜粋。さすがワガノワの子達、もんのすごく上手かった。特にフローラ役のMariia Khorevaは堂々としててテクニックも完璧で、既にバレリーナとしての完成形といった感じでした!彼女、マリインスキーバレエにコールドとして入団したようです。年末の来日公演にも来てくれるかな。楽しみ!

Excerpt from "The Sleeping Beauty" – Grand Pas de deux
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: Marius Petipa, Alexei Ratmansky's reconstruction for the American Ballet Theatre (2015)
Tiler Peck (New York City Ballet)
Herman Cornejo (American Ballet Theatre)

噂に聞くラトマンスキーの眠りのグランパドドゥを観てしまいました。衣装も振付もオリジナルの復刻を目指したということで評判イマイチだったこの眠り、そういえばゴメスがソロを踊ったのを何かのガラで観たときもビミョーだったなぁと思ったのですが、やはりビミョー。
衣装は体をラインを美しく見せるようになっていないし、振付は学術的な価値はあるのでしょうが今の時代の観客に面白いものではないように思いました。
エルマンが勿体ない・・・。

Excerpt from "The Sleeping Beauty" – Grand Pas de deux
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: Rudolf Noureev after Marius Petipa
Jillian Vanstone, Francesco Gabriele Frola
(The National Ballet of Canada)

カナダナショナルバレエのガブリエル・フローラはハンブルクバレエ学校出身でカナダではニジンスキー役なども踊っており、来シーズンはカナダに籍を置いたままENBのプリンシパルになるという逸材。初めて観たのですが、色っぽいし上手いし、いいダンサーだな。どうしてこういう人がハンブルクバレエに入団してくれなかったのかしら(涙)

Excerpt from "Songfest"
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
"Music I heard with You"
Xue Lin
"Zizi's Lament"
Konstantin Tselikov
"To What You Said"
Carsten Jung, Ivan Urban

バーンスタインの音楽に振付けたSongfestという作品からの抜粋。あまり印象に残ってない。カーステンとイヴァンの男PDDは面白かった。(でもopus100の方が好き)

Excerpt from "The Pharaoh's Daughter"
Music: Cesare Pugni
Choreography: Marius Petipa
Olga Smirnova, Artem Ovcharenko
(Bolshoi Ballet)

ボリショイから、スミルノワ×オフチャレンコでファラオの娘。私はチュージンが好きだけど、この作品は押し出しのいいオフチャレンコの方が似合ってると思う。スミルノワ、この作品は珍しく調子悪そうでした。

Excerpt from "Swan Lake" – 2nd act pas de deux
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: Lev Ivanov / Marius Petipa
Anna Laudere, Edvin Revazov

古典の白鳥の第二幕のパドドゥをアンナとエドウィンで。といってもこれ、ノイマイヤーの「幻想~白鳥のように」の二幕からの抜粋でコールドのフォーメーションはかなり古典と違います。アンナはやや首が前に出るクセはあるけど、美しい。エドウィンはリフトとサポートは鉄壁。

Excerpt from "Bernstein Dances" – Lonely Town
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
Heather Ogden, Guillaume Côté
(The National Ballet of Canada)

カナダのヘザー・オグデンとギヨーム・コテ夫妻によるバーンスタイン・ダンス。彼らは何をやってもそつないですね。

"Birthday Dances"
Created for the celebration of the 50th anniversary of her Majesty Queen Margrethe II of Denmark
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
Carolina Agüero, Marc Jubete
Mayo Arii, Aleix Martínez
Florencia Chinellato, Matias Oberlin
Patricia Friza, Dario Franconi

5組のカップルが出てくる、(たぶん)ストーリーのないシンフォニック・バレエ。小品ではなくちゃんとした作品で(15分くらいあったかな?)、かなり難しい振付だったような(もう記憶が曖昧)。このガラのためだけにこのリハやるって凄い大変。衣装がなかなか素敵だった。

◆SECOND PART

"Bernstein Serenade"
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
Christopher Evans
Alexandr Trusch
Hélène Bouchet
Emilie Mazon
Madoka Sugai
Jacopo Bellussi
Karen Azatyan
Ensemble
Violin: Vadim Gluzman
Piano: Michal Bialk

これ、面白かった。男女のカップルが3組出てきて、それぞれくっついたり離れたりするんだけど、最後は男同士のカップルが誕生した、というストーリーかな。男女のカップルは白いシャツ+黒いズボンやドレスなどのきちっとした姿なんだけど、トルシュだけはカップルに入らない"Love"という役で、白いパンツのみ。愛の情熱を呼び覚ます役なのかなと思った。トルシュ君は確かに、タキシードで踊るよりもちょっと野性味ある役の方が似合うような気がする。メインのクリストファー・エヴァンスが踊りにしろ繊細な感情表現にしろ素晴らしkった!!彼は、このガラの終演直後にプリンシパルに昇格しました。おめでとうクリス!!
クリスの相手役はエレーヌ。ちょっと悩める大人の女、といった風情の役だけど、本当に美しいし存在感があっていい。ダンサーというだけでなく女優のような雰囲気を醸し出せる人。そういう意味ではアンナ・ポリカルポヴァに似てきたなと思う。
あと、ロングドレスで踊る円加様、元気印のいつもの雰囲気とは全然違い実にエレガントで美しかったです。彼女はいろんな顔を持っている。そして音楽性に関してはこの中でピカイチ。

写真はカーテンコールからですが、ワガノワバレエ学校卒業生。中心がMariia Khoreva
マリインスキーのダンサー

同じくカーテンコールから、水平さん姿のトルシュ君。
トルシュ

第三部に続く。
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テーマ:バレエ - ジャンル:学問・文化・芸術

Hamburg Ballet / Nijinsky Gala #1

今年の夏の遠征は、7月上旬の約一週間。ハンブルクとミュンヘンで9公演観てきました。全体的に音楽色の強い遠征だったな。ぼちぼちと観たものの感想を残しておこうと思います。

まずは、一番最後のニジンスキー・ガラから。

18:00に開演、30分の休憩×2回をはさみつつ終演が23:40頃と、ワーグナーオペラ並の5.5時間という長大な公演でした。通常のニジンスキーガラと比較しても、ゲストも多かったです。感想は3回に分けることにします。まずは、プログラムと出演者のみ(それだけでも長い・・・)。

ニジンスキーガラ

2018/7/8日 18:00- ハンブルク州立歌劇場

第44回ニジンスキー・ガラ
マリウス・プティパとレナード・バーンスタインに捧ぐ

◆FIRST PART

Excerpt from "On the Town"
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
Set and Costumes: Zack Brown – utilizing the New York photographs of Reinhart Wolf
Alexandr Trusch and the School of the Hamburg Ballet

Pas de quatre from "Le Réveil de Flore"
Music: Riccardo Drigo
Choreography: Marius Petipa, staged by Yuri Burlaka after Ivan Khlustin (2014)
Costumes: Vladimir Ponomarev
Daria Ionova, Anastasiia Nuikina, Mariia Khoreva, Maria Bulanova
(Graduates of the Vaganova Ballet Academy)
(Rector: Nikolay Tsiskaridze, Teacher: Liudmila Kovalyova)

Excerpt from "The Sleeping Beauty" – Grand Pas de deux
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: Marius Petipa, Alexei Ratmansky's reconstruction for the American Ballet Theatre (2015)
Tiler Peck (New York City Ballet)
Herman Cornejo (American Ballet Theatre)

Excerpt from "The Sleeping Beauty" – Grand Pas de deux
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: Rudolf Noureev after Marius Petipa
Jillian Vanstone, Francesco Gabriele Frola
(The National Ballet of Canada)

Excerpt from "Songfest"
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
"Music I heard with You"
Xue Lin
"Zizi's Lament"
Konstantin Tselikov
"To What You Said"
Carsten Jung, Ivan Urban

Excerpt from "The Pharaoh's Daughter"
Music: Cesare Pugni
Choreography: Marius Petipa
Olga Smirnova, Artem Ovcharenko
(Bolshoi Ballet)

Excerpt from "Swan Lake" – 2nd act pas de deux
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: Lev Ivanov / Marius Petipa
Anna Laudere, Edvin Revazov

Excerpt from "Bernstein Dances" – Lonely Town
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
Heather Ogden, Guillaume Côté
(The National Ballet of Canada)

"Birthday Dances"
Created for the celebration of the 50th anniversary of her Majesty Queen Margrethe II of Denmark
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
Carolina Agüero, Marc Jubete
Mayo Arii, Aleix Martínez
Florencia Chinellato, Matias Oberlin
Patricia Friza, Dario Franconi

◆SECOND PART

"Bernstein Serenade"
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
Christopher Evans
Alexandr Trusch
Hélène Bouchet
Emilie Mazon
Madoka Sugai
Jacopo Bellussi
Karen Azatyan
Ensemble
Violin: Vadim Gluzman
Piano: Michal Bialk

◆THIRD PART

Excerpt from "The Sleeping Beauty" – Rose Adagio
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: Marius Petipa
Alina Cojocaru (English National Ballet)
Spanish Prince: Karen Azatyan
Russian Prince: .Jacopo Bellussi
Indian Prince: Dario Franconi
Egyptian Prince: David Rodriguez

John's Dream – And What We Call Growing Up

"John's Dream"
Choreography and Text: National Youth Ballet

"Hallelujah"
Music: free after Leonard Cohen
Choreography: Yuka Oishi

"Coming Together"
Text: Charlotte Larzelere

"Just Like A Woman" / "Natural Woman"
Music: free after Bob Dylan / Carol King
Choreography: Sasha Riva / Sara Ezzell

"This Is Not a Song, It's an Outburst"
Music: free after Sixto Rodriguez
Choreography: Kristian Lever

"Humanity"
Choreography and Text: National Youth Ballet

"Talkin' Bout A Revolution"
Music: free after Tracy Chapman
Choreography: National Youth Ballet

National Youth Ballet:
Natsuka Abe, Sara Ezzell, Charlotte Larzelere, Freja Maria Lützhøft, Marcelo Ferreira, Artem Prokopchuk, Emiliano Torres, Ricardo Urbina
Musicians:
Joycelyn Homadi-Sewor (vocals), David Berton (vocals, guitar), Kellen McDaniel (vocals, guitar, viola), Amelie Wallner (violin), Lukas Plag (violoncello, bass guitar), Aike Errenst (piano, cajón)

Excerpt from "Don Juan" for Rudolf Noureev
Music: Christoph Willibald Gluck, Tomás Luis de Victoria
Choreography: John Neumeier
Silvia Azzoni, Alexandre Riabko

Excerpt from "The Sleeping Beauty" – Pas de deux "The First Awakening"
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: John Neumeier after Marius Petipa
Alina Cojocaru (English National Ballet)
Alexandr Trusch
Violin: Vadim Gluzman – Vadim Gluzman plays the Stradivarius violin known as "ex Leopold Auer"

"Tchaikovsky Pas de deux"
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: George Balanchine
Tiler Peck (New York City Ballet)
Herman Cornejo (American Ballet Theatre)

Excerpt from "Jewels" – Diamonds
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: George Balanchine
Olga Smirnova, Semyon Chudin
(Bolshoi Ballet)

"Finale: Candide"
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
Ensemble

Host: John Neumeier

第一部&第二部の感想に続く。
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テーマ:バレエ - ジャンル:学問・文化・芸術

七月大歌舞伎 夜の部 @松竹座

隈取

2017/7/14土 16:15- 松竹座

真山青果 作
真山美保 演出
元禄忠臣蔵
一、御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)
徳川綱豊卿 片岡 仁左衛門
富森助右衛門 市川 中車
中臈お喜世 中村 壱太郎
小谷甚内       片岡 松之助
上臈浦尾       上村 吉弥
御祐筆江島 中村 扇雀
新井勘解由 中村 歌六

二、   二代目松本白 鸚
十代目松本幸四郎 襲名披露 
口上(こうじょう)
幸四郎改め松本 白鸚
染五郎改め松本 幸四郎
     坂田 藤十郎
     幹部俳優出演

近松門左衛門 作
片岡仁左衛門 監修
三、女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)
河内屋与兵衛 染五郎改め松本 幸四郎
七左衛門女房お吉 市川 猿之助
山本森右衛門    市川 中車
芸者小菊     市川 高麗蔵
小栗八弥       中村 歌昇
妹おかち       中村 壱太郎
刷毛の弥五郎 大谷 廣太郎
口入小兵衛 片岡 松之助
白稲荷法印 嵐 橘三郎
皆朱の善兵衛 澤村 宗之助
母おさわ       坂東 竹三郎
豊嶋屋七左衛門 中村 鴈治郎
兄太兵衛       中村 又五郎
河内屋徳兵衛 中村 歌六

夜の部はかなり見応えがありました。

御浜御殿綱豊卿。動きが少なくセリフで見せる作品なのに、全く眠くもならず世界に引き込まれました。さすが仁左様・・・!

仁左様の演技は本当に緻密、かつ、こういうお役でも、舞台の上にいるのは片岡仁左衛門ではなく綱豊卿なのだと思わせてくれるリアルさがあるのが好き。綱豊卿は単に慈悲の人ではなく、武士道への強い想いを持つ人物として、時に厳しくはあれど、基本的には器の大きな温かい人物に見えました。

その仁左様と森右衛門演じる中車さんとの緊張感ある掛け合いが実に素晴らしかった。中車さんの演技にも赤穂浪士の魂があって、その熱い魂を仁左様が受け止めながら高みへリードしている感じでした。昼の部の富樫のときも幸四郎さんの弁慶を受け止めつつサポートしているように見えた仁左様。歌舞伎界や後輩に対する想いが伝わってくるようで、その包容力に胸が熱くなる。

壱太郎さん、本当に可愛くて男性とは信じられない。演技もとても細やかで艶っぽくて好きだなあ。

口上を挟んで、女殺油地獄。これ、生で観るのは初めてでしたが、よくできた芝居ですね。ひどい話なのですが、面白い!

幸四郎さん、与兵衛はとても合っているお役だなぁと思いました。本当は悪人じゃないけど甘ったれで気の弱いボンボン。物凄く真剣に仁左様に教わったのだろうなぁ。与兵衛がそこにいる、というところまではいかなかったけど、与兵衛の弱さ・可愛さ・狂気など、とてもうまく演じていらしたなぁと。

・・・でも仁左様の与兵衛、生で観たかったなぁとつくづく思ってしまった(泣)

そして、猿之助さんのお吉が素晴らしかったー。与兵衛ほどエキセントリックな役ではないのだけど、まさにそこにいるのはお吉だなぁという役作り。結婚して子供がいて、美人だけど所帯じみていて、与兵衛には兄弟のような感覚と、でも実はちょっとだけ男性として惹かれている部分もある。大仰なことはしないのに、そういうのがすっと心に伝わってくる。猿之助さんのファンがこういう地味な役をお好きかどうかは分からないのですが、私はとっても感銘を受けました。

ところで殺しのシーンの油は、何を使ってるんでしょう。滑っているシーンを見てて、ただの水ではなくちょっと何か滑るものを入れているように思ったのですが。あれを毎日やるって大変だなあ・・・。幸四郎さんも猿之助さんも、千穐楽までお怪我ありませんように!

テーマ:歌舞伎 - ジャンル:学問・文化・芸術

七月大歌舞伎 昼の部 @松竹座

松竹座小

2018/7/14土 11:00- 松竹座

一、廓三番叟(くるわさんばそう)
傾城千歳太夫      片岡 孝太郎
新造松ヶ枝      中村 壱太郎
太鼓持藤中      中村 歌昇

菅原伝授手習鑑
二、車引(くるまびき)
松王丸      中村 又五郎
桜丸      中村 扇雀
杉王丸      中村 種之助
金棒引藤内    中村 寿治郎
藤原時平公    坂東 彌十郎
梅王丸      中村 鴈治郎

河竹黙阿弥 作
天衣紛上野初花
三、河内山(こうちやま)
松江邸広間より玄関先まで
河内山宗俊 幸四郎改め松本 白鸚
高木小左衛門    坂東 彌十郎
宮崎数馬      市川 高麗蔵
腰元浪路       中村 壱太郎
北村大膳       松本 錦吾
松江出雲守 中村 歌六

四、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
武蔵坊弁慶 染五郎改め松本 幸四郎
源義経       片岡 孝太郎
亀井六郎       市川 高麗蔵
片岡八郎       中村 歌昇
駿河次郎       中村 種之助
常陸坊海尊 松本 錦吾
富樫左衛門 片岡 仁左衛門


初めて松竹座に行ってきました。劇場は左右の幅が狭く、こじんまりとしていて親密な空間で見やすいですね。ただホワイエが狭くて、博多座みたいに劇場内でお買い物の楽しみはないのが残念。

欧州遠征から帰ってきた次の週で疲れ切っていたせいもあり、一~三はうとうとしながらの鑑賞となりました。

勧進帳は面白かった。歌舞伎十八番だけあって、よくできた作品だなぁ。素人ながらに、幸四郎さん、上手くなっているなぁと思う(上からで本当にすみません!)。前はセリフがセリフにしか聞こえないなという感じがあったのだけど、役の心が入ってきているようになってきたというか。歌舞伎は「セリフはセリフ」でよいのかもしれないけど、個人的には本当にその役になりきって見える方が好き。

仁左様の富樫との緊迫感ある掛け合いは見事でワクワクしました。

仁左様の富樫。登場した瞬間、美しー♥と気持ちが上がる。富樫の本心は私には見えなかったけど、幸四郎さんとの掛け合いは、後輩を受け止めて支えようとする包容力に溢れているように見えた。だから、富樫は一行の正体を分かったうえで、でも弁慶をリスペクトして関を通ることを許したのだろうなというのが知識としてではなく、芝居で伝わってきました。

この日は朝大阪入りして、昼夜通し。東京も暑かったけど大阪もゲキアツで、昼の部と夜の部の間にホテルまで片道10分の道程を歩いて往復したら、軽い熱中症になりかけました。いつまで続くんでしょうこの暑さ。

ちなみに昼の部のお食事は、今井。10:30過ぎに開店前のお店に飛び込んだら、その場でお弁当をつめてくださいました。美味しかった♪

今井小

お弁当小

夜の部に続く。

テーマ:歌舞伎 - ジャンル:学問・文化・芸術

談ス・シリーズ第三弾 凸し凹る

だんす小

2018/6/10日 13:00- よみうり大手町ホール

構成:大植真太郎
振付・出演:大植真太郎 森山未來 平原慎太郎

談スシリーズ、初めて観に行ってきました。

音楽もちょっとした効果音以外はほとんどないし、ちょっとコントっぽいけど、確かにダンス作品だ。めちゃくちゃ踊れるボーイズが、わちゃわちゃ絡んでるのがカワユイ。しっかし3人のくんずほぐれつの動き、とても面白くて引き込まれるんだけど、一歩間違えると危ない!とかヒヤヒヤした。アドリブみたいに見えるところも、相当緻密に作り込んでるのではなかろうか。じゃなきゃ怪我すると思う。

平原さんと未來くんはちょっと長めの台詞あり。全体的なトーンはユーモラスで明るいけれど、語りの部分には財務省とか、政治関係の時事ネタもあり、ただお気楽なだけではない面も。特に未來君の語りには、今のこの閉塞的な日本社会への怒りを強く感じた。

舞台装置は、金色のスライムのみ。これは何を意味してるんだろう、と考えながら観ていたけど、この作品で彼らが伝えたいこと同様、私には答えは出なかった。丸いハイテーブルの上から滴り落ちる金色のスライムは最初はゴージャスなベールのようで、最後は薄くて繊細な有機物の膜のようで、とても美しかった。

言葉にするとこんな短い感想になっちゃうけど、本当に充実した公演でした。写真は、終演後、ここは撮影していいよ、と言われた、倒れたハイテーブルと金色のスライム。

ところでこのタイトルは何て読むんでしょうね。凸し凹る-「とつし おうる」「でこし ぼこる」? 一体どういう意味なんだ?

テーマ:ダンス - ジャンル:学問・文化・芸術

フランソワ=グザヴィエ・ロト×レ・シエクル 春の祭典

レシエクル-小

2018/6/12火 19:00- 東京オペラシティ コンサートホール

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲 
ドビュッシー:バレエ音楽《遊戯》 
ラヴェル:ラ・ヴァルス 
ストラヴィンスキー:バレエ音楽《春の祭典》

(アンコール)
ビゼー:「アルルの女」第1組曲 より アダージェット

ピリオド楽器によるバレエ・リュス・プログラム(勝手に命名)。いやー楽しかったです!

一番感動したのはラ・ヴァルス。この曲の持つジャズっぽい複雑な和音とあのリズムが元々大好きなんですが・・・このヴァルスは、もう素晴らしすぎて思わず目が潤んでしまった。ピリオド楽器のせいか奏法のせいか分からないけど、残響が少なくて、それぞれの楽器の音の輪郭が溶け合わず独立している。だけど、それが混じると実に華やかな音色に!そしてロトの指揮から繰り出される、まるで生き物のようなあのリズム!!まさに音が踊ってる!!ほんと素晴らしかった。そしてとってもユニーク(独特、という意味の)。

メインディッシュの春の祭典は、感動というより「衝撃的」でした。チラシのコピー「興奮の音楽体験。音楽史に残る、あの衝撃の初演の響きが蘇る。」に偽りなし!残響の少ないピリオド楽器から繰り出されるそれは、今まで聴いたのと全然違い、質量を持った「音のかたまり」がずんずんお腹に響く感じ。プリミティブなエネルギーに満ちていた。メロディの印象はかなり薄くて、リズムの音楽。これじゃ、初演でヤジがとびまくるのも無理ない。当時の人々にとっては雑音みたいなものだったんじゃないかな。すっっっっっっごい春祭でした。

「遊戯」を聴くのは初めてだったのですが、テニスのラケットを持ったニジンスキー像はノイマイヤーの「ニジンスキー」のおかげで目に焼き付いてるので、楽しみに聴きました。何ともとらえようのない複雑な曲で、こりゃ演奏機会が少ないのも仕方ないな、と。聴きながら、この音楽は男1人女2人の三角関係と言われているストーリーを表現してるんじゃないか、とふと思ったんですが、後でパンフレットを読んだらやっぱりそうだったんですね。火の鳥もそうですが、きっと踊りと一緒に観るともっと面白い曲なんだろうなあ。

牧神は、ラ・ヴァルスや春の祭典に比べると、普通のオケで演奏されるものとの違いが少なかったように思いました。

ラヴェルやドビュッシーは、ピアノでいうとペダルを踏んだときのような残響の多い音が似合うと思っていたのですが、今回、彼らの時代に使われていたピリオド楽器で聴いて、初演時の音は決してそうではなかったのだなと目からウロコでした。

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六月博多座大歌舞伎 昼の部

高麗屋小

2018/6/18日 11:00- 博多座

四世鶴屋南北 作
奈河彰輔 脚本・演出
市川猿翁 演出
慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ)
三代猿之助四十八撰の内 伊達の十役(だてのじゅうやく)
十代目松本幸四郎十役早替り宙乗り相勤め申し候
発 端 稲村ヶ崎の場
序 幕 鎌倉花水橋の場
大磯廓三浦屋の場
三浦屋奥座敷の場
二幕目 滑川宝蔵寺土橋堤の場
三幕目 足利家奥殿の場
同  床下の場
四幕目 山名館奥書院の場
問註所門前の場
同  白洲の場

口上 染五郎改め松本 幸四郎
仁木弾正
絹川与右衛門
赤松満祐
足利頼兼
土手の道哲
高尾太夫
腰元 累
乳人政岡
荒獅子男之助
細川勝元

八汐       片岡 仁左衛門
大江鬼貫       中村 鴈治郎
沖の井       片岡 孝太郎
松島       市川 笑也
京潟姫       中村 壱太郎
山中鹿之助 大谷 廣太郎
川上右門       片岡 松之助
大場宗益       中村 寿治郎
新造薄雲       澤村 宗之助
同 小紫       市川 笑三郎
渡辺外記左衛門 松本 錦吾
山名持豊       市川 猿弥
栄御前       中村 魁春
渡辺民部之助 中村 梅玉
三浦屋亭主 幸四郎改め松本 白鸚

幸四郎さんが4時間で40回の早変わりをするという伊達の十役。いやーこれ、毎日やるなんて体力よく持つわ!ってくらい出ずっぱり、変わりまくり。観終わったときの一番の感想は、本当にお疲れ様でした!ってことでした。

全く予習なしで観たのですが、最初に口上で幸四郎さんが自分の役の解説をしてくれたおかげでキャラクターが頭に入って混乱なく見られました。早変わりは、あ、ここで変わるんだな!っていうのはほとんどわかったけど、それでも早さに驚愕。あれ裏どうなってるか見てみたい。

十役の中では、与右衛門が一番しっくりくるなぁと思いました。あと頭よさそうな勝元もよかったな。幸四郎さん、トークショーのときも思ったけど、とってもいい人なんじゃないかしら。悪人役は、あまり悪い感じがしなかったです^^;

出番は少なかったけど強烈だった仁左様の八汐!立ち居振る舞いは普段から美しいから女形に違和感ないのだけど、なんとなんと憎々しいお婆だったことか!これ本当に夜の部のあの慈愛に満ちた俊寛さまと同じ人なの??しかしこの八汐、幼い子供の喉元に剣を突き立ててグリグリするって何てひどい話・・・。でも仁左様の八汐は、怖いけれどどこかユーモラス。退場するときのあの奇怪な笑み、忘れられません。仁左様のよく動く表情筋見るの、ほんと楽しい。ところで仁左様、女形なら声も裏声になるのかしらと思ってたけど、そんなことはなく男の声でした。でもこの八汐は、それでも全然違和感なく、憎々しさの演出になっているように思いました。

あと私はいつも梅玉さんの品のある演技が好きなんですが、この日の民部之助もよかったです。破天荒な話だけど彼が出てくるとすっとそこだけリアルさが戻ってくる感じ。

お染の七役のときも少し思ったのですが、早変わりって確かにおーっと思うところあるけど、でもやっぱりお話のつなぎ方に多少無理が出てきますね。先代萩、通常バージョンのも観たいなーと思いました。

なんかうまくまとまらなかったけど、この辺で。

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六月博多座大歌舞伎 夜の部

俊寛小

2018/6/17土 16:20- 博多座

近松門左衛門 作
平家女護島
一、俊寛(しゅんかん)
俊寛僧都      片岡 仁左衛門
丹波少将成経  中村 鴈治郎
海女千鳥      片岡 孝太郎
平判官康頼    市川 猿弥
瀬尾太郎兼康   坂東 彌十郎
丹左衛門尉基康  中村 梅玉

  
二、二代目松本白 鸚 十代目松本幸四郎 襲名披露 口上(こうじょう)
幸四郎改め松本 白鸚
染五郎改め松本 幸四郎
坂田 藤十郎
幹部俳優出演


河竹黙阿弥 作
新皿屋舗月雨暈
三、魚屋宗五郎 ( さかなやそうごろう )
魚屋宗五郎 幸四郎改め松本 白鸚
磯部主計之助       大谷 友右衛門
召使おなぎ       市川 高麗蔵
小奴三吉       中村 亀鶴
菊茶屋娘おしげ       中村 壱太郎
鳶芳松       大谷 廣太郎
菊茶屋女房おみつ 上村 吉弥
父 太兵衛       松本 錦吾
浦戸十左衛門       坂東 彌十郎
女房おはま       中村 魁春

福地桜痴 作
四、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)
小姓弥生後に獅子の精 染五郎改め松本 幸四郎
局吉野       市川 笑也
老女飛鳥井       市川 笑三郎
胡蝶の精       澤村 宗之助
胡蝶の精       中村 壱太郎
用人関口十太夫       大谷 廣太郎
家老渋井五左衛門       市川 猿弥


仁左様の俊寛。ちょっと想像以上に長い顎鬚の仁左様が素敵で(西洋の映画俳優か?!みたいな)しばらくはその美しさにうっとりしていたのですが、後半になるにつれ、仁左様の真の価値はその美しさじゃないのだよな、と我に返る演技の緻密さよ・・・!

仁左様お膝が痛いのかしらと心配してしまったけど、それは弱った俊寛の役作り。そういうフィジカルな演技はもちろん素晴らしいのですが、私はやっぱりこの人の表情の作り方が本当に好きだなあ。妻の東屋が殺されたということを知った瞬間の、「茫然と」という言葉がぴったりの表情。妹尾太郎を殺そうと決心した瞬間の、ちょっと狂気宿るあの目の動きは、絵本合邦の太平次を彷彿とさせました。少将と別れることになって哀しむ千鳥の肩を「よしよし」と抱くシーンの包容力を感じる大きな手の平、じーんとしたなあ。そして「おーい!」と船を見送るラスト。仁左様の俊寛は一瞬たりとも自分の選んだ道に後悔をしておらず、見送る船上の人達への愛情に溢れていた。全体を通して、何と慈愛に溢れた俊寛だったことよ。

仁左様は細くていらっしゃるので遠い南の島に流されて海藻で食いつないでいるお役に見た目もぴったりでしたが、流罪仲間の鴈治郎さんと猿弥さん、ふくふくしてらして肌艶も良く、ネットでは隠れて鯨でも食べていたのではとか言われてたのが笑いました^^; でもお二人とも演技は非の打ちどころがなく。あと、孝太郎さんの千鳥、重い話の中で実にコミカルで可愛い女性で、とってもよかった。

俊寛は文楽でしか観たことがなかったんですが、歌舞伎は文楽とは随分雰囲気が違うなと思いました。当たり前ですが、人が演じる歌舞伎は文楽よりも生々しい。文楽は、主題となる部分だけが純化されて、とても美しいものになっている気がするな。どちらがいい、ということはなく、それぞれの良さがあると思いました。

魚屋宗五郎、コミカルでなかなか楽しかった。酔っ払いの白鸚さん面白い。滑舌が悪いなぁと思っちゃうところも、酔っ払い役だと気にならないし。

春興鏡獅子も見応えがありました。幸四郎さんの女形、美しいなー♥壱太郎さんの胡蝶可愛かった。そして壱太郎さんの踊りのキビキビしたリズム感が好き。しかし、獅子モノ観てると好きな役者さんのそれを猛烈に観たくなりますね・・・。

夜の部、全部面白くて大満足でした。

ちなみに、この日の夜の部終演後、幸四郎さんが襲名記念に写真集を発売したということで、そのプロモーションを兼ねたトークショーが。事前申し込みすれば無料ということだったので図々しく参加してまいりました。30分、マイク片手に喋る喋る。でも幸四郎さんは、自分が喋りたいというよりは、そこにいる人達を楽しませようとしているのが伝わってくるような。

写真集は、記録写真ではなくアートっぽく(という言葉だったか忘れた)というのを目指したそうです。17年間彼を撮り続けているカメラマンさんによるもの。お話の中に昼の部の「伊達の十役」の早変わりの話があって面白かったな。早変わりは巻き付けるという着物の特性を最大限に活用した手法で、伊達の十役では一回の早変わりは平均6-7秒とのこと!4時間で40回以上の早変わりで観客にとっての幕間も顔を一度落として作り直しているから休みなしなのだとか。この日の数日前が中日だったのですが、ここまでと同じ回数をまだやるのかと思うとぞっとするとおっしゃってました。次の日、昼の部を観たのですが、これやったらそりゃ疲れるよねと納得。

次の日観た昼の部へ続く!

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新国立劇場 フィデリオ

2018/6/2土 14:00- 新国立劇場

指 揮:飯守泰次郎
演 出:カタリーナ・ワーグナー

ドラマツルグ:ダニエル・ウェーバー
美 術:マルク・レーラー
衣 裳:トーマス・カイザー
照 明:クリスティアン・ケメトミュラー
舞台監督:村田健輔

ドン・フェルナンド :黒田 博
ドン・ピツァロ :ミヒャエル・クプファー=ラデツキー
フロレスタン :ステファン・グールド
レオノーレ :リカルダ・メルベート
ロッコ :妻屋秀和
マルツェリーネ :石橋栄実
ジャキーノ :鈴木 准

合唱指揮 :三澤洋史
合 唱 :新国立劇場合唱団
管弦楽 :東京交響楽団

新国立劇場 単独新制作(えらい久しぶりのはず)のフィデリオ、最終日に行って参りました。

ネタバレ踏まないように、日本では珍しいタイプの演出だってことだけ頭に入れて行きましたが、なかなか面白いじゃーないですか!というのが第一印象でした。

公演終わっててネタバレOKなタイミングなので結末書いちゃうけど、フロレスタンとレオノーレがピツァロに刺されて地下牢に閉じ込められ、解放されるはずの囚人達もピツァロの計略で再度牢に入れられるという、悪が勝つ幕切れ。フェルナンドとピツァロの関係がちょっと謎なんだけど、フェルナンドもピツァロに負けたっていうことなのかな。

舞台装置は、3階建て。一番下層は多数の囚人がいる牢、真ん中の層はフロレスタンの地下牢、一番上は真ん中にメインの部屋があり、左はレオノーレの更衣室(役割として)、右はロッコの仕事部屋とその上にピツァロの部屋。これが上下に動きながら話が進んでいきます。

1幕は、基本はオリジナル通りのストーリー。ただし、ピツァロの部屋にレオノーレの肖像画があり、その前でピツァロがフォーキンの牧神よろしく(バレエネタすみません)レオノーレのストールに頬ずりしたりする。ので、なるほどピツァロはレオノーレにお熱ということなのね、と分かります。もしかしたらフロレスタンを陥れたのも彼女を我が物にしたいという下心あってのことか?

フロレスタンは1幕も歌いこそしないけどほぼ出ずっぱりで、地下牢のあちこちに女性の絵(たぶんレオノーレなんでしょう)をチョークで描きまくっている。彼女への愛が強いことの表現なのでしょうね。このチョークの絵がなかなかお上手。グールド凄いな!と思いかけたけど、下絵があるんでしょうね。

それ以外ではマルツェリーネの描き方が面白かった。灰色の牢獄の中にあって、父が用意した人工芝とお花の楽園でピンクのガーリーなドレス着てお人形遊びしながら結婚を夢見るお嬢ちゃん。夫を助けるために男装するレオノーレの対極にいる、甘やかされた我儘いっぱいの娘として描かれているように見えました。この話、通常は最後はマルツェリーネが可哀想じゃん、って同情しがちですけど、このキャラだと彼女にそういう気持ちが涌かなくなる。

1幕は、何だかいろんな伏線はってあるけど、どれが発展するのかな?という気持ちで観てました。

そして2幕、これは怒涛のどんでん返しと初めて観るストーリーで、オペラというよりストーリー知らないお芝居を観ているような感覚でした。

レオノーレが私は彼の妻よ!と名乗り出た直後にピツァロが二人を刺し、彼らの息の根を止めずにそこに放置、挿入されたレオノーレ序曲に乗って地下牢の入り口をブロックで閉鎖していきます。この序曲の使い方、上手い。

そして、演出的な白眉はこの後。フェルナンドがやってきて囚人を解放するシーンに、フロレスタンとレオノーレの偽物が登場。フロレスタンはピツァロ自身(帽子を目深にかぶり囚人服を着ているからみんな気が付かないという設定)。解放された歓喜の合唱に被さるレオノーレとフロレスタンの二重唱は、合唱する囚人達とは違う場所、閉じ込められた地下牢の中で二人だけで歌っているという構図です。そうして聴くと、この歌は、多少台詞にぴったりではないところもあれど、二人で死ねる幸せを表現しているというふうに見えてくる。レオノーレの絵を描きまくるフロレスタンといい、この演出では、悲劇にすることで、二人の純愛が強調されているように思いました。

最後、解放されたはずの囚人達は歓喜のうちに光が見えた牢の中に戻っていき、そこへフロレスタンの振りをしたピツァロ(と共謀者の女)が戻ってきて牢の扉をがちゃんと閉じる。そしてピツァロが帽子をとってフェルナンドに勝ち誇ったどや顔をするところで暗転、幕。

この演出自体が最高傑作だ!と思ったわけでははないのですが、知らないストーリーの先を考えながら観るという感覚自体が面白かった。読み替えを楽しむ、という見方は、どこか演劇を観る楽しみに通じるところがあると思う。この楽しみ方は、日本のオペラファンすべての人が共有できるものではないな、という気もします。ただね、それを余り嫌わないでほしいなぁ。と思ったので、今回の演出がイヤと言っていそうな方々に対して一言ずつコメント。

オペラ素人な割に偉そうなこと書いてますので、そういうの苦手な方はこの後は飛ばしてください。

①元のオペラを知らないので読み替えの楽しさは味わえなかった方
→音楽と素晴らしい歌だけで十分オペラの楽しみは味わえましたよね!

②オペラというよりクラシック音楽ファン(日本のオペラファンはこちら側の人が多いように感じる)で、結構音が出る演出に音が邪魔されたのが気になった方
→演奏会形式なら演出に邪魔をされず音楽に集中できますので、今後はそちらをどうぞ!

③海外でも多数オペラを観てきたオペラ通で、この程度の読み替え甘ったるい!と、ここぞとばかりにブーイングしちゃった方
→気持ちは分かりますが、それやると逆効果で今後とんがった演出のものは日本でますます観られなくなりますので冷静なご対応を。

実際、読み替えのレベルや演出は、日本の観客にも分かりやすい、いい塩梅だったのではーと思います。ピツァロのレオノーレに対する執着とか、ドイツなら下ネタ的にもっとエグい表現もありそうだし。私は、日本であの手のダークな読み替えものにチャレンジした勇気を讃えたいです!

さて、日本で観るオペラにしては珍しく演出や読み替えストーリーの方に頭が行きがちではありましたが、そんな中でもグールドの揺るぎない素晴らしい歌唱には感動しました。2幕はストーリーと彼の声と、いい意味で両方に気持ちを巡らせながら観ていたのであっという間。

私はソプラノの揺れる音程が苦手なのですが、メルベートはいつも割と安心して聴いてる。ロッコの妻屋さん、体格も歌唱も海外歌手に引けをとらず素晴らし!マルツェリーネの石橋さんも美しい声でよかった。ピツァロのラデツキーは、いつぞやハンブルクで聴いた大地の歌の悪い印象が残り過ぎていて。彼は声量があるタイプじゃないんですね。4階だとオケと一緒になると余り聴こえてこなかったというのが正直なところ。ただ、憎らしい悪役の演技は素晴らしかった!

新国の合唱は、やっぱ上手いわーと聞き惚れてしまいました。

オケ、一幕はところどころコケたりしていましたが、二幕は安定していたと思います。でもすみません、ちょっと前に聴いた東フィルの方がちょっとだけよかったかも・・・。最終日でお疲れでしたかね?

最終日のカーテンコール、4階席だったせいかもしれませんが、ブラボーはたくさん聞こえたけどブーイングは聞こえませんでした。この日が、飯守さんは新国芸監として最後の公演。一人だけのカーテンコール時にオケから大きな花束が手渡されていました。いろいろ仰る方もいらっしゃるとは思いますが、飯守さんが新国のオペラに対して残してくれたよいものはたくさんあると思います。本当にありがとうございました。

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プロフィール

きぃこ★★

Author:きぃこ★★
東京在住のバレエファン。・・・のはずでしたが、オペラや歌舞伎にも興味拡大中。舞台鑑賞は自腹です。ご贔屓はハンブルクバレエ。

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